楽しいドラフトを作ろう! 第二回:忍びの里大炎上
みなさんこんにちは、えるです。この記事は数回にわたる連載記事になっております、第一回を見ていない方はよろしければこちらから最初に見ていただけると幸いです。
では第二回です。今回は実際に過去に作成したキューブのリストを用いて、キューブはどのようは配分にするのが良いか、どのような思考で作られているのか、を語っていきたいと思います。最初に今回解説に使用させていただくカードリストを提示させていただきます。
通常札:32枚
・攻撃19枚
シュート、ラピッドファイア、マグナムカノン
雅打ち、雅打ち
鋼糸、鋼糸、手裏剣、手裏剣、斬撃乱舞
しこみび/ねこだまし※二幕原初
飛苦無、遁術
Burning Steam、Waving Edge
円月
流転爪
脇斬り、投射
・行動、付与13枚
バックステップ、バックドラフト、殺意
詩舞、詩舞、風舞台
誘導、仙人呼法※二幕原初
壮語
大跳ね※二幕原初
歩法、歩法
切札:16枚
浦波嵐
律動弧戟 (ナーフ前)、音無砕氷
ヴァーミリオンフィールド
千歳ノ鳥、千歳ノ鳥
熊介、鳶影(ナーフ前)、鳶影(ナーフ前)
はらりゆき
どれーんでびる
そして四季は廻る(二幕発売直前版)
そして四季は廻る(二幕発売直前版)
四季はまた廻り来る(バフ前)
雷螺風神爪
虚偽
追加特殊ルール
1.大乱闘ルール「伝えよう忍びの技」(すべての全力でない通常札は設置を得る)を適用する。
2.桜花決闘開始時、「虚魚」を使用済の状態で得る。
3.桜花決闘開始時、「壬蔓」を未使用の状態で得る。
4.風雷ゲージは4-4で固定される。
何か追加特殊ルールのせいでバカゲーにしか見えませんがこれはふるよにです。本当です信じて。
では、このプールを作成した経緯と共に、キューブの調整について語っていきたいと思います。
1.キューブの方向性を決める。
はじまりはある一つの思い付きでした。そうそれはたなびく霧のように、明け方の夢のように、気付いたら消えてしまうような、忘れてしまうような、微かな物でした。
……伝えよう忍びの技でドラフトしたら面白いんじゃね?
そのようなきっかけを偶然にも、幸運にも掴み取った我々が最初にやるべきことはなんでしょうか。そう、悪さをするのです。ではこのドラフトで悪さをするためには何をすればいいのでしょうか。そう、虚魚以外ありえません。
再構成のたびに相手が死ぬ!気持ちいい!!!
じゃあ次に悪さを出来るカードは何でしょうか。やっぱりこれじゃないでしょうか。
わぁい^^相手がしぬ^^
まずはそんな気軽な思い付きから、そしてそれを実現するためのいくつかのシンプルな攻撃札から始まります。最初はそんなものです。
2.サブの方向性を決める。
ある程度カードを埋めたらサブルートを考えます。このドラフトのメインの勝ち筋は間違いなく虚魚を使用してからの再構成で相手をミンチにすることでしょう。ですがそれに特化したカードプールを作ってしまうと、ドラフトの参加者全員が同じようなデッキを作成し、同じようなゲーム展開になってしまいます。それでは面白くないですよね?ですので別の勝ち筋を用意して、人によってはそちらを選択する事ができるようにします。伝えよう忍びの技、忍びの技とは何でしょうか。これとか忍びの技っぽくありませんかね。
※忍びのイメージに著しい偏りが存在することをここにお詫びいたします。
また、このキューブは設置の仕様上再構成にも着目します。それならばこれもきっとわくわくすると思いませんか。
立派なサブルートの完成です。ではそれと相性のいいカードを詰め込んで……次の段階に進みましょう。
3.汎用的なカードを足す。
移動札、攻撃札、対応札、全力札等を直感で足していってプールを一旦埋めてしまいます。
簡単な注意点として、クリンチやレンジロック、強烈なロックデッキ等に使用できる札の枚数はキューブでそれを推奨してない場合その戦略が成立しなくなる程度に減らした方が良いでしょう。
4.カードの比率を整える。
キューブの攻撃札の枚数などを整えていきます。なおこれは自分の基準に基づいたものなので、他の方は違う意識を持っているかもしれません。まずは通常札から。
1.攻撃札は全体の55%以上、70%以下。(18枚~22枚)
攻撃札が少なすぎるとデッキとして成立しなくなるおそれがあります。またあまりに多すぎると全員のデッキが真っ赤に染まって単調なゲーム展開になります。なので私はこのような縛りを設けています。
2.対応札は全員に渡るくらい、優先ピックすれば3枚取れる程度に。(5枚~8枚)
せっかくドラフトなのですから、相手が持っている対応を推測する(覚えておく)のを楽しんでほしいと思っています。ですが、対応札があまりに多すぎるとゲームが遅延するため、私の好みのバランスはこの程度です。
3.全力札は全員に1枚行くかどうかくらい。(3枚~6枚)
一時休止して手札を自然に溜め込める全力札は強力です。ですが多すぎるとデッキ構築のノイズになりがちなため、増やしすぎないように意識します。特に間合の特殊な全力攻撃札は1、2枚に留めておくといいでしょう。
※忍びの里ドラフトではその性質上手札をガンガン伏せることを推奨しています。ですので全力札の枚数は少なくなっています。
4.付与札は行動札より少なくする。
付与札は行動札と違い、ダストやオーラの状態に強さが左右されます。無条件で使用される行動カードの方が、一般的に好まれます。
※森羅判証がカードプールに入っている場合、その弾として最低3枚は入れておいた方がいいです。
5.間合の比率、ダメージ比率を整える。
このドラフトの攻撃カードの適正距離は以下の通りです。
・0-1で攻撃できるカード 3枚(1枚は遁術)
・2で攻撃できるカード 7枚(1枚は遁術)
・3-4で攻撃できるカード 13枚(1枚は遁術)
・5-で攻撃できるカード 10枚(内5枚は6-の適正なし)
また、その適正距離のカードのダメージも確認します。長くなるため詳細は省きますが、遠距離のカードは3/1や3/2がある反面、近距離は2/1と2/2ばかりになっています。
今回のカードプールでは設置を扱う以上、お互いの設置が当たらなくなるクリンチを推奨していません。ですので0-1で扱える攻撃はぐっと数を減らしています。なお同じ設置が当たらない遠距離ロックはこのルールでは特定のピックをした場合にのみ推奨しています。なのでそれに特化したカード、及びそれに対抗するための遠距離攻撃を一定枚数確保しております。
また3/1は投射とWaving Edgeの2枚と、採用枚数を抑えてあります。これはカードを伏せることを推奨するこのルールならではのもので、確実に表で当てていきたい3/1はキューブのノイズになりがちだからです。
このようにある程度プールに含まれる攻撃札の質、比率を調整することで、あなたが作りたいと思ったキューブに近付ける事が可能です。
なお切札ですが、通常札と比べると自由に構成ができます。今回の場合はこのように定めました。
前提:壬蔓、虚魚を2枚ずつ採用する。
1.圧の高すぎる攻撃切札は入れない。 ex.月影落
2.なので大型対応札も採用しない。 ex.久遠の花
3.再構成に絡む切札を採用する。 ex.千歳ノ鳥
4.再起に絡む切札を採用する。 ex.はらりゆき
5.軽めの対応札を多めに採用する。(特に千歳の対策) ex.虚偽
しっかり自分の中で全てのカードの採用理由を考えているのならば、割と自由な部分だと思います。これでひとまずキューブは完成です!
これで完成したキューブは虚魚と壬蔓が配布制になっておらず、びっぐごーれむがプールに含まれているため全力札の枚数がそれなりにある、と現在のキューブとは若干姿が違います。それがどのようにして現在の形になったのか、それを第三回で語らせて頂こうと思います。長々とお付き合い、ありがとうございました!